おしっこの色を見れば脱水状態かどうかがわかる

おしっこ_色_トイレ

夏の暑い日によく、部活動の顧問の先生や監督コーチ、もしくは体育の先生に「こまめに水分補給をしなさい」と言われたことはありませんか?水分補給は、熱中症を予防する上でとても大事です。しかし、運動や練習をしている時、一体どれくらいの水分を取れば、自分はしっかり水分補給をしていることになるのか、皆さんは知っていますか?

自分ではこまめに水分補給をしているつもりでも、実は身体には水分が足りず「脱水状態」になっている、ということがよくあります。

そんな、自分が今「脱水状態」なのか「しっかり水分が補給できている状態なのか」を運動中や運動後に知る方法として、おしっこの色を見ることがとても有効な方法として、研究でも証明されています。

今回の記事では、どのようにおしっこの色をチェックすれば、自分の水分補給の状態を知ることができるのかを紹介していきます。


>>参考文献はこちらです。

Urineスクショ

Accuracy of Urine Color to Detect Equal to or Greater Than 2% Body Mass Loss in Men

Journal of Athletic Trainingより2015年に発表された、おしっこの色で身体の脱水状態を見極める方法の正確さを研究した論文です。

 

おしっこの色チャート(Urine Color Chart)

これが「Urine Color Chart(おしっこの色チャート)」です。おしっこの色によって脱水レベルが1〜8に分かれていて、下にいけばいくほど脱水がひどいということになります。このチャートを使うことによって、特別な知識を持っていなくても、選手自身がトイレに行ったときに自分でおしっこの色をみて、今の自分の水分補給の状況を確認することができます。

 

なぜ「脱水状態」はよくないのか?

マラソンおしっこ

水分補給をしっかりして、身体が「水が足りない!」という状況にならないようにすることはとても重要です。それは、熱中症を予防するためでもあるのですが、同時に「パフォーマンスも低下してしまう」からです。

特に持久系の運動(マラソン、ロードバイク、長い距離の水泳など)では、体重の2%以上の水分が身体から失われるとパフォーマンス能力が下がる、という研究が数多く発表されています。

つまり、例えば10キロを30分で走ることができる能力を持っている人も、体重の2%の水分が身体から失われていたら、自分では100%の力で走っているつもりでも30分で走ることができなくなります。これはその選手の「追い込みが足りない」わけではなく、脱水状態なので100%のパフォーマンスを発揮することができない身体になってしまっているのです。

 

「パフォーマンスの低下」に加えて、同じように体重の2%の水分が身体から失われると、熱中症になる危険性が高くなります。よって、選手自身はもちろんですが、部活動の顧問の先生やクラブスポーツの監督・コーチは、選手のパフォーマンス低下を防ぎ、更に熱中症を予防するために、選手たちがしっかり水分補給をできているのか、それとも足りないのかを知る必要があります。

そんな時に、特別な道具が必要ではなく、特別な知識も必要ではないこの「おしっこの色チャート」を使うことで、それが簡単にできるのです。

 

「体重の2%」がキーポイント

水分補給おしっこ

先ほどから何回か出てきている「体重の2%の水分が失われると」という言葉。これがキーポイントになります。

体重の2%以上の水分が体内から失われると、パフォーマンスが低下するとともに、熱中症の症状が出てきます。以下に挙げたのはその典型的な症状です。

  • 頭痛
  • めまい・立ちくらみ
  • 吐き気
  • 疲労

 

では、この「体重の2%の水分が体内から失われた状態」になると、おしっこの色はどんな色になるのでしょうか?これが、今回参考にしている論文が研究したテーマです。

 

おしっこの色で、自分の脱水レベルがわかる

汗_おしっこ

今回の研究では、おしっこの色は、暑い環境の中で運動をしている時に自分の脱水レベルを知るツールとして信頼できるものであると結論づけています。

そして今回の研究では、おしっこの色チャートで5以上(5〜8)の色におしっこがなっていたら体重の2%以上の水分が体内から失われているだろう、ということを示すと言っています。おしっこの色がチャートで「6」の色を示していたら、ほぼ間違いなく体重の2%は水分が失われているだろう、とも言っています。

つまり選手たちは、おしっこの色が5以上になる前にしっかり水分補給をしないと、パフォーマンスは下がるし、熱中症になる危険性も上がるということ。選手たちは練習中、常におしっこの色が1〜3であることが理想です。

 

アメリカの高校や大学のトイレには、よくこのおしっこの色チャートが壁に貼られています。これは、選手自分自身でおしっこの色を常にチェックして、脱水状態にならないよう促すためです。

特に熱中症や脱水症状になりやすい夏の暑い時期に運動・練習をするとき、自分のチームにトレーナーや医療の専門家がいない場合は、部活動の顧問の先生やマネージャー、クラブスポーツの監督・コーチ、もしくは子供の両親が、熱中症を予防するために、常に子供たち、選手たちの水分補給の状態を知る必要があります。

この「おしっこの色チャート」を使うことで、簡単に、でも信頼できる方法で脱水の状態を知ることができます。ぜひ活用してみてください!

 

>>「おしっこの色チャート」を作成しているサイトはこちらです。

Hydration Check: The Science

おしっこ_色_トイレ

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ABOUTこの記事をかいた人

2013年からBOC−ATC(米国公認アスレティックトレーナー)として活動中。大学時代に後輩が熱射病によって命を落としたことから、熱中症について調べるようになりました。「予防のプロ」として、熱中症に関する正しい情報を伝えていきます。