熱けいれんとは?〜原因・ケア・予防方法〜

熱けいれん_サッカー

熱けいれん(英語ではExercise-Associated Muscle Cramps)とは、主に暑い環境で長時間もしくはキツイ運動をした時に起こる、痛みを伴ったけいれん(いわゆる「つった状態」)のことを言います。

ほとんどの熱けいれんによって起こった「筋肉のつり」は、1〜3分でおさまるようですが、ひどい時は数時間続くこともあるようです(一回おさまっても、何度もつってしまう)。

今回は、ACSMのPosition Stand(かなり有名な研究論文です)から、熱けいれんについて詳しく学んでいこうと思います。


>>参考にした論文はこちらです。

Exertional Heat Illness during Training and Competition|American College of Sports Medicine

American College of Sports Medicineが2007年に発表した、運動中・スポーツ中に起こる熱中症についてのPosition Standです。

 

熱けいれんが起こる原因の3要素

汗

熱けいれんは、以下の3つの条件がそろったときに起こるようです。それは、

  1. 運動によっての筋肉の疲労
  2. 脱水
  3. 汗による塩分の損失

 

熱けいれんは、暑い環境での長時間もしくは強度の高い(=きつい)運動や練習・試合中によく起こります。

例えば、夏のテニスの大会。

テニスの大会では、だいたい選手は1日に何試合もします。1試合目が終わって、数時間の休憩を挟んで2試合目。数時間の休憩が取れればまだいいですが、ときにはたった1時間くらいの休憩で次の試合をやったりもします。すると、前の試合で疲労した筋肉がまだ回復してない状態で次の試合をやらなければならないので、どんどん筋肉が疲れてきてしまい、それが熱けいれんを引き起こす原因となります。

また、試合というのは非常に強度の高い活動になります。相手に勝とうと一生懸命になりますからね。すると当然、汗もたくさんかくでしょう。

テニスで言えば、セット間には小休憩があるのでそこで水分補給ができますが、セット間以外ではあまり水分をとる時間はないと思います(テニスにあまり詳しくないので、間違ってたらすみません。。。)。汗をかいた分、しっかり水分と塩分(=電解質)を補給できていれば良いですが、補給した水分・塩分を上回る量の汗をかいた場合、体内の水分と塩分が足りなくなり、けいれんが起こってしまいます。

 

あと、熱けいれんが起こる3つの原因には含めませんでしたが、過去に熱けいれんになったことがある人は熱けいれんになりやすいです。一度でも熱けいれんになったことがある人は、このあと出てくる「熱けいれんを予防するためには?」に挙がっている予防法をぜひ心がけてください。

 

熱けいれんが起きてしまったらするべきケアの方法

ストレッチ

熱けいれんが起きたとき、まず最初にするべきケアは以下の2つです。

 

1)ストレッチしながら休息をとる

けいれんが起きてしまったら、まずは今行っている運動をやめます。そして、けいれんが起きている筋肉をゆっくりじっくり1〜2分ほどストレッチします。

けいれんが起きているということは、筋肉は短く短くなろうとしています(=ストレッチとは逆のことが起きている)。よって、短くなろうとしている筋肉をストレッチして伸ばすわけですから、当然最初は軽く痛みが伴うこともあります。そのため、ゆっくり少しずつストレッチしていきます。最初は痛いかもしれませんが、少し我慢してちょっと長めのストレッチ(1〜2分)をし続けていると、だんだんけいれんが和らいでいくはずです。

 

2)塩分・電解質を含んだ水分や食品を補給する

今回の参考文献には、以下のようなものを補給するべきと紹介されています。

  • 300〜500mLの水もしくはスポーツドリンクに、ティースプーン1/8〜1/4杯の塩を加えたもの
  • 300〜500mLの水分と、1〜2錠の電解質サプリメント
  • 塩気のあるスナックや食べ物

 

最後の塩気のあるスナックや食べ物は、論文の中には具体的なものはあげられていませんでしたが、オススメは「梅干し」と「みそ汁」です(練習中にみそ汁を用意している人はなかなかいないかもですが。。。笑)。夏の合宿などで、午前と午後の2回練習するときや、大会で1日に何試合もする日などは、お昼ご飯や休憩中にみそ汁を飲むと、しっかり塩分が補給できます。

たいていの熱けいれんは「ストレッチ」と「塩分・電解質を含んだ水分もしくは食品を補給」することで治ります。そして、けいれんがおさまったら、基本的には練習や試合に戻っても大丈夫です(もちろん、けいれん以外の熱中症の症状がある場合は、涼しい場所で休んでください)。しかし、ひどい熱けいれんで全然けいれんがおさまらなかったり、おさまってもまたすぐけいれんを起こしてしまう、もしくは全身の筋肉がけいれんしている、といった場合は、すぐに病院へ行きましょう。点滴をすることでおさまるはずです。

 

熱けいれんを予防するためには?

水分補給

この記事の最初に、熱けいれんが起きる原因は「筋肉の疲労」「脱水」「汗による塩分の損失」と言いました。運動をしているので筋肉が多少疲労してしまうのは仕方ありません。よって、熱けいれんにならないよう予防するためには、残りの2つにならないようにすることが重要です。熱けいれんを予防するためにできることは以下の通りです。

 

こまめに水分補給をして、脱水状態にならないように

こまめに水分補給の時間を作ることは、その時間で筋肉を休ませることもできるため一石二鳥です。暑い中の運動・練習の際は、こまめに「水分補給+小休憩」の時間をとりましょう。

 

塩分・電解質を含むものを補給する

汗によって失われるのは水分と塩分です。ドリンクでも食品でもいいので、汗によって失われる塩分をしっかり補給しましょう。

同じ練習や運動をしていても、人によって汗をかく量は違います。人よりも汗をかくという人は、運動中に塩分・電解質をしっかり補給できるドリンクを用意しましょう。記事の途中でも挙げましたが、梅干しを用意しておいて、休憩中に食べることも効果的です。

さらに、暑い中運動をする人は、普段の食事でも塩分を積極的に摂るように心がけましょう。部活動を頑張る子供を持つ両親は特に、塩分がしっかり摂れる食事を用意してあげて、その日に失った塩分はその日のうちに補給してあげられるようにしましょう。

 

暑熱馴化=体を暑さに慣れさせる

これは熱けいれんにならないようにはもちろん、熱中症自体を予防するためにとても重要なことです。暑熱馴化をすることで、より身体が暑さに順応し、汗をかいても大量の塩分を失わないようになります。

熱中症対策はまず暑熱馴化から始めよう

2017.03.31

 

熱中症の種類の1つ、熱けいれんについてでした。

熱中症は大きく分けると4種類あります。他の種類についてはまた次回。

>>追記(5/13/2017):熱中症4種類の記事書きました。こちらの記事もよろしくお願いします。

熱失神の原因・症状・対策・予防法のまとめ

2017.04.08

熱疲労〜一番起きやすい熱中症の原因・症状・対策まとめ〜

2017.04.06

熱射病の原因・症状・予防・対処法のまとめ

2017.04.03

 

熱けいれん_サッカー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

2013年からBOC−ATC(米国公認アスレティックトレーナー)として活動中。大学時代に後輩が熱射病によって命を落としたことから、熱中症について調べるようになりました。「予防のプロ」として、熱中症に関する正しい情報を伝えていきます。