熱疲労〜一番起きやすい熱中症の原因・症状・対策まとめ〜

熱疲労_消防士

ここまで、4種類ある熱中症のうち「熱けいれん」と「熱射病」についての記事を書いてきましたが、今回は3種類目の「熱疲労」です。熱疲労のケアが遅れてしまうと熱射病になる可能性があります。熱射病は死に至ってしまうこともあるもの。熱疲労の特徴やケアの方法、そして予防の方法を知っておきましょう。


>>参考にした論文はこちらです。

ACSMPSスクショ

Exertional Heat Illness during Training and Competition|American College of Sports Medicine

American College of Sports Medicineが2007年に発表した、運動中・スポーツ中に起こる熱中症についてのPosition Standです。

 

熱疲労の原因

以下のものに当てはまる人や、その環境で運動をすると、熱疲労になりやすいと言われています。

  • BMI(Body Mass Index)>27 kg・m
  • 水分不足(=脱水状態)
  • 気温33℃以上で風があまりない日(<2.0 m・s)

 

特に脱水BMI>27kg・mは、熱疲労になるリスクファクターとして、様々な研究で証明されているようです。

 

熱疲労の症状

熱疲労_顔_青白い

以前「熱射病」についての記事を書きましたが、熱射病と熱疲労の違いの1つは体温です(ここでいう体温とは、深部体温のことを指します)。一般的に体温が40℃以下であれば熱疲労と言われ、体温が40℃以上であると熱射病と呼ばれます。

熱射病の原因・症状・予防・対処法のまとめ

2017.04.03

 

さて、熱疲労になってすぐは、以下のような症状が出てきます。

  • 血圧が下がる
  • 脈や呼吸が速くなる
  • 汗をたくさんかいている
  • 顔が真っ青(血の気が引いている)

 

更に熱疲労が進行してくると、以下のような症状も現れます。

  • 頭痛
  • めまい
  • 頭や首が熱い
  • 悪寒(寒気がする)・鳥肌が立っている
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢
  • 興奮している・怒りっぽくなる・イライラしている
  • うまく動けない(筋肉をうまく動かせない)

 

以前「熱けいれん」についての記事を書きましたが、熱疲労の場合も筋肉のけいれんが起きることがあります(起きない時もあります)。

熱中症で痙攣が起きる?熱痙攣について徹底解説!

2017.04.01

 

熱疲労になってしまった時の対処法・ケア

熱疲労_休息_挙上

熱疲労になってしまったら(熱疲労だけに限らず熱中症になってしまったら)するべきことは以下の通りです。

  • 涼しい場所(日陰や室内の冷房が効いている場所)に移動する
  • 衣服を脱ぐ
  • 水分補給
  • 仰向けに寝て、両足を挙上する(心臓より高い場所に)
  • 脈・血圧・呼吸の速さ・深部体温(測定できるのであれば)・中枢神経系の状況を常に確認する

 

参考にした文献には、熱疲労になった人の多くは涼しい場所で休息をとる」「両足を心臓よりも高く挙上する」「水分補給をするの3つをすることで症状は軽くなると示されています。また、迅速に適切にケアをすれば、ほとんどの熱疲労はその場で症状はよくなり、病院に行かなくても大丈夫なことが多いようです。ですが、もし症状が全然よくならない場合は病院に連れて行きましょう。

熱疲労のケアの1つとして「水分補給」をあげましたが、熱疲労になってしまった人の意識がない場合や、吐いてしまったり下痢をしている選手には、無理して口から水分を摂らせることはやめましょう。脱水状態がひどい場合は、すぐに病院へ連れていって点滴で水分を身体に補給させる必要があります。

>>水分補給の記事、書きました。

【まとめ】最新の科学的根拠に基づく熱中症予防のための水分補給

2017.10.17

 

脱水の状態を簡単に知る方法としておしっこの色をチェックすることがとても有効です。前回それについて記事を書いたので、そちらもぜひ読んでみてください。

おしっこの色を見れば脱水状態かどうかがわかる

2017.04.05

熱疲労(熱疲労以外の熱中症でも)になってしまってから48時間くらいは、おしっこをするたびにその色をチェックして、水分補給の状況を確認しましょう。おしっこの色は透明〜レモネード色を保つようにします(もし尿の回数が少ない場合は、それも脱水のサインです。こまめに水分補給をしましょう)。

 

熱疲労になった翌日にすぐに練習や仕事に復帰することは、あまり好ましくありません。最低でも24〜48時間は安静にして、水分補給につとめて、しっかり身体を回復させる時間をとりましょう。

 

熱疲労_消防士

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ABOUTこの記事をかいた人

2013年からBOC−ATC(米国公認アスレティックトレーナー)として活動中。大学時代に後輩が熱射病によって命を落としたことから、熱中症について調べるようになりました。「予防のプロ」として、熱中症に関する正しい情報を伝えていきます。